第06話 乗船前の手続き

 

 

 「はい、乗船前の手続きをしておきましょう」

 

「ツアーの案内は届いてますよね?

 

それと部屋のタイプを決めておきましょう

 

もし、決まっているようであれば早めに予約しておかないと

 

埋まってしまうかもしれません」

 

『なるほどー!確かに109万て聞いてただけで、

 

部屋のタイプとか全然気にしてなかったです(笑)』

 

これ他の豪華クルーズやフェリーなら

 

部屋のタイプのランクが上がると一気に値段上がるから

 

注意が必要だな…。

 

『部屋は、どのよう種類分けがされていますか?』

 

「はい、4人部屋窓なし、4人部屋窓あり、2人部屋、1人部屋

 

があります

  

まぁ1、2人部屋は家族だったりシニアの方がよく選ばれますが

 

新藤さんみたいに若者は4人部屋を選んでおられますよ♫」

 

『なるほど、なら4人部屋一択として、あとは窓ありかなしか』

 

「窓ありが人気なので、窓ありにしときますか?

 

といってもほとんど海しか見えませんが(笑)」

 

『窓ありといっても窓を開けれる訳ではないですよね?

 

陸に近づいたら外に出て見に行くので

 

窓は特に気にしなくていいかな』

 

「窓は開けれませんね。

 

そうですね外から見られるのが一番かと思います

 

ただ、日が当たってないと駄目だとか、

 

夕日や日の出を楽しみにしているお客様もいらっしゃるので

 

その為窓ありの部屋をご用意させていただいています。」

 

「了解しました。」

 

『あと、なるべくなら上の階…』

 

いや…まてよ

 

前職場で船に乗っていたとき…

 

下の階は騒音が大きく、揺れにくく

 

上の階は騒音は小さく、揺れやすかったよな

 

『いえ、もしできるなら自室の階数は真ん中の方でお願いします。』

 

「了解しました、まぁもし下の階でも音は全く響きませんので安心して下さい」

 

『ありがとうございます』

 

 

「それでは次はツアーの方なんですが、

 

案内は届いてますでしょうか?」

 

『はい、届いています』

 

「ツアーは人数に限りがありますし、

 

人気なものは直ぐに埋まってしまいますから

 

今日もう予約しておいた方が良いです

 

なにか気になるものはありましたか?」

 

『はい、まず全部の寄港地にツアーがついていて凄く驚きました

 

その中でベトナムのダナンでの交流ツアーの数が

 

やたら多くてびっくりしています』

 

「おっ!目の付け所がいいですねぇ!」

 

「ベトナムとは親日国であり、

 

わがピースボートとも深い交流がありまして

 

非常に良くしていただいております

 

ピースボートといえば現地の人との交流ツアーです(^^)/

 

その中でもベトナムさえおさえとけば、

 

それだけでも大変満足していただけるかと思います

 

なによりベトナムは

 

横浜の次の寄港地であり初めの寄港地です。

 

一週間ほどで着きますから、

 

友人を作るきっかけにもいいのではないかと思います

 

若者はこのベトナム交流ツアーに毎回沢山の方が参加されていますよ、

 

あとはベトナムに着いてすぐ飛行機でカンボジアに飛び立っての

 

アンコールワット遺跡巡りも大人気ですね。」

 

『アンコールワット遺跡!!めっちゃ良いですね!

 

行きたかったんだよなぁ(;_;)』

 

「まぁそれなりに値段もかかってきますし、

 

やっぱり私はベトナム交流ツアーを推します!

 

パワフルで力溢れるベトナム人と遊んできてください♫」

 

『分かりました!ならそれで!

 

あと、アウシュビッツに行きたいなと思っていまして…』

 

「あぁ!ギリシャから飛行機でポーランドに行って1週間程、

 

ユダヤ人強制収容所アウシュビッツへ行って歴史を学ぶツアーですね」

 

『そうです、アウシュビッツは

 

高校の国語の授業で習って凄い衝撃的だったので

 

行ってみたかったと思っていました

 

まさか、ピースボートのツアーに載っているとは衝撃的でした』

 

「それは、絶対行った方が良いですね!

 

ポーランドは個人ではなかなか行く機会もないと思いますし

 

ピースボートであればアウシュビッツに回るのに

 

日本人のガイドが付きますよ!」

 

「このアウシュビッツのガイドさんは日本人では現在1人しかいないので

 

凄い貴重ですし、もし個人で行かれたとしてもガイドが埋まっている可能性が高いでしょうね

 

機械で日本語のガイド音声があるかもしれませんが、

 

その場で思ったことを聞ける、質問できるというのは凄く貴重なことと思います。

 

値段は外国に飛ぶのでそれなりにかかりますが、飛行機代、ホテル代、ガイド代、食事代を考えると

 

割とお得かと思いますよ!

 

当時被害にあって生き延びたユダヤ人の話も手配が付けば聞けるかもしれません

 

このツアーは凄い人気なので、早めに予約しておくべきですね!」

 

『ええええ!日本人ガイド付くんすかめっちゃ良いじゃないですか(^^)/

 

分かりました!ならアウシュビッツツアーも予約お願いします。』

 

「了解しました。今空きがあるか確認してみますので

 

暫くお待ち下さい

 

はい、空いていますね!それでは申し込みしておきます」

 

「他になにかございますか?」

 

『いえ、特にありません』

 

「了解しました。人気のツアーは抑えましたが

 

もし、他のツアーも申し込みされたいようであれば電話していただけば対応しますし、

 

船に乗っている間も空きがあれば申し込みできるので

 

宜しくお願いします」

 

『分かりました!今日は長い間ご丁寧に対応して頂きありがとうございました!』

 

「あっそれと大事な事を1つ!荷物はスーツケース1つバック1つで来て下さい。

 

四人部屋ですと荷物を多くするとそれだけ部屋が狭くなるので

 

ルームメイトとの一番の喧嘩の原因になります

 

大変お気をつけ下さい」

 

『なるほど…分かりました』

 

「こちらこそありがとうございました。是非良い旅になれば良いですね♪」

 

電話を切った。

 

 

いやぁなんか疑問だったことが一気に解決してすっきりしたな

 

なんか一つ外国行くだけでもビビるのに

 

一気に20か国近く廻り、この外国やめて、この外国に行こうだなんて計画(笑)

 

現実離れしすぎて頭おかしくなりそう。

 

あとは、ピースボートクルーズ申込書

名前、住所、同行者の有無等を書いて送って送金するだけ

 

だいたい決めるとこも決めたし、悩みごともなくなったし

 

あとは英語をちょっと勉強して乗船に臨むだけだな!

 

今までの不安から解放され安堵した。

 

 

数日後

 

TEL....TEL....

 

なんだ…知らない電話番号からかかってきてる…。

 

出た方がいいのかな…

 

 

第07話 選択 に続く